この記事では、中小建設会社が施工管理アプリを選ぶ際に必要な情報を、中立的な立場で徹底比較します。ケンテク編集部は特定のSaaSベンダーと利害関係がありません。 すべての製品を同じ基準で評価しています。

この記事の監修 山本 貴大 / ケンテク編集長

150社以上のマーケティング/コンサルティング支援実績。認定支援機関と連携した補助金計画書の作成支援も手がける。

施工管理アプリとは? — なぜ今、導入が必要なのか

施工管理アプリとは、建設現場の工程管理、写真管理、日報作成、図面共有などをスマホやタブレットで一元管理できるクラウドサービスです。

中小建設会社にとっての導入メリット
  • 現場写真の整理時間を月20時間→3時間に削減(85%減)
  • 紙の日報がスマホで5分で完了
  • 元請け・下請け間の情報共有がリアルタイムに
  • デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)で導入費用を補助

2024年問題(残業上限規制)への対応としても、施工管理アプリの導入は「残業を減らしながら品質を維持する」ための必須ツールになっています。

国土交通省の「i-Construction」推進により、公共工事ではICT活用がほぼ必須に。民間工事でも元請けからデジタル化を求められるケースが急増しています。

施工管理アプリを選ぶ5つのポイント

1

自社の現場規模に合っているか

1人親方〜10名規模と、50名以上の中堅では必要な機能が異なります。小規模ならシンプルなアプリ、中堅以上なら工程管理・原価管理が充実したものを。

2

スマホだけで完結するか

現場ではPCを開けません。写真撮影→アップロード→日報作成がスマホ1台で完結するか確認しましょう。

3

50代・60代の職人でも使えるか

ITに不慣れな職人が多い現場では、操作のシンプルさが最重要。無料トライアルで実際に使ってもらうのがベスト。

4

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の対象か

補助金対応のツールを選べば導入費用を抑えられる。対応製品かどうかは必ず確認(※最新の登録状況は公式サイトでご確認ください)。

5

サポート体制は充実しているか

導入後のサポートが充実しているか。電話サポートの有無、導入支援の手厚さを確認しましょう。

タイプ別おすすめ — 自社に合ったアプリを素早く見つける

迷ったらこれ — 企業規模別のおすすめ

1人親方〜5名: KANNA or 現場Plus(シンプル・低コスト)

5〜30名: KANNA or ANDPAD(バランス型)

30〜100名: ANDPAD or SPIDERPLUS(機能充実)

100名以上: ANDPAD + Photoruction の併用(分野特化)

タイプおすすめアプリ理由
コスト重視現場Plus / Aipo月額5,500円〜、350円/人〜で始められる
操作のシンプルさ重視KANNAITに不慣れな現場でも導入しやすい
機能の充実度重視ANDPAD業界シェアNo.1。工程・写真・チャット・図面を一元管理
写真管理特化Photoruction電子黒板、写真台帳の自動生成、BIM連携
検査・帳票特化SPIDERPLUS配筋検査、検査記録、帳票作成に強い
コミュニケーション重視ダンドリワーク元請け・下請け間のやり取りに特化

施工管理アプリ8選 — 機能・料金・補助金対応を一覧比較

サービス名料金主な機能補助金対応評価
ANDPAD 要問合せ(月額制)
  • 工程管理
  • 写真管理
  • 図面共有
  • 日報
  • チャット
対応 4.5/5
KANNA 要問合せ
  • 施工管理
  • 報告書作成
  • 図面管理
  • 写真台帳
対応 4.3/5
ダンドリワーク 要問合せ
  • 工程管理
  • コミュニケーション
  • 写真共有
対応 4.2/5
Photoruction 要問合せ
  • 写真管理
  • 図面管理
  • 電子黒板
  • BIM連携
対応 4.4/5
現場Plus 月額5,500円〜
  • 写真管理
  • 図面管理
  • 工程管理
対応 4/5
SPIDERPLUS 要問合せ
  • 図面管理
  • 検査記録
  • 帳票作成
  • 配筋検査
対応 4.3/5
Aipo 月額350円/人〜
  • スケジュール
  • 日報
  • 掲示板
  • ワークフロー
対応 3.8/5
eYACHO 要問合せ
  • 電子野帳
  • 手書きメモ
  • 写真管理
  • 帳票出力
対応 4.1/5

各アプリの詳細レビュー

1. ANDPAD(アンドパッド)— 業界シェアNo.1

施工管理アプリの代名詞。導入企業数が業界最多で、大手ゼネコンから町場の工務店まで幅広く導入されています。

向いている企業:

  • 従業員10名以上の建設会社
  • 元請け・下請けの情報共有を改善したい
  • 写真管理と工程管理を一元化したい

注意点:

  • 料金が公開されていない(要問合せ)
  • 小規模事業者にはオーバースペックの可能性
  • 初期導入のサポートは充実しているが、使いこなすまでに時間がかかる場合も

2. KANNA(カンナ)— シンプル操作で中小に人気

操作のシンプルさに定評があり、ITに不慣れな現場でも導入しやすいのが特徴。

向いている企業:

  • 従業員5〜30名の中小建設会社
  • 「まずはシンプルに始めたい」
  • 報告書作成の効率化を重視

注意点:

  • 大規模工事の工程管理にはやや機能不足
  • 原価管理機能は別途ツールが必要

3. ダンドリワーク — コミュニケーション重視

現場のコミュニケーション(チャット・タスク管理)に強みを持つアプリ。

向いている企業:

  • 元請け・下請け間の情報共有が課題
  • LINEで業務連絡をしていて「公私分離したい」
  • 写真共有のスピードを上げたい

4. Photoruction(フォトラクション)— 写真管理のプロ

建設現場の写真管理に特化。電子黒板、写真台帳の自動生成、BIM連携など、写真周りの機能が圧倒的。

向いている企業:

  • 写真台帳の作成に月10時間以上かかっている
  • 公共工事で電子納品が必要
  • BIMを導入済み or 導入予定

5. 現場Plus — コスパ重視の定番

月額5,500円〜と料金が明確。基本的な施工管理機能が揃っており、コスパ重視の中小建設会社に人気。

向いている企業:

  • 月額コストを抑えたい
  • 基本的な写真管理・図面管理ができればOK
  • 従業員5〜20名規模

6. SPIDERPLUS — 検査・帳票に強い

図面管理と検査記録に特化。配筋検査、仕上げ検査など設備・設工事系に強い。

向いている企業:

  • 設備工事・電気工事が多い
  • 検査記録の効率化が最優先
  • 帳票出力を自動化したい

7. Aipo — グループウェア型

施工管理専用ではなく、グループウェアとしてスケジュール・日報・掲示板を一体管理。月額350円/人〜と低価格。

向いている企業:

  • 施工管理より社内全体のIT化を優先
  • まずはスケジュール共有から始めたい

8. eYACHO — 手書きメモのデジタル化

紙の野帳をそのままデジタル化するコンセプト。手書き入力に対応しており、タブレットで図を描きながらメモできます。

向いている企業:

  • 紙の野帳に慣れていて急にアプリに移行したくない
  • 手書きでメモを取る作業が多い

無料トライアルで試す — 最低2つを比較

ほとんどのアプリが無料トライアル期間を設けています。最低2つのアプリを並行で試して比較することを強くお勧めします。

1つだけ試すと「こんなものか」で終わりますが、2つ比較すると「こっちのほうが使いやすい」「この機能が便利」と判断基準が明確になります。

トライアル時のチェックリスト
  • 50代以上の職人に実際に触ってもらう(操作性の確認)
  • 自社の現場写真を実際にアップロードしてみる
  • 日報を1週間つけてみる
  • 元請け or 下請けにも共有してみる
  • スマホとタブレット両方で動作確認

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)で施工管理アプリを導入する

補助金を使えば導入コストを抑えられる

施工管理アプリはデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の対象です(※最新の登録状況は公式サイトでご確認ください)。補助率・補助額は年度により変更の可能性があります。

詳しくは「建設業のIT導入補助金活用ガイド」をご覧ください。2026年度の公募スケジュールは公式サイトでご確認ください。

まとめ — 今すぐやること

施工管理アプリの選び方は「自社の規模と課題に合ったもの」を選ぶこと。機能が多ければいいわけではありません。

今すぐやること:

  1. 自社の現場で最も時間がかかっている作業を特定する
  2. 上記のタイプ別おすすめから2つ選ぶ
  3. 無料トライアルに申し込む
  4. IT導入補助金の対象か確認する

参考情報

よくある質問

施工管理アプリの費用はどのくらいですか?
月額350円/人(Aipo)〜月額5,500円〜(現場Plus)まで幅があります。ANDPAD、KANNA等は要問合せですが、概ね月額1〜5万円程度が相場です。デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)を使えば導入費用の一部が補助されます。
施工管理アプリはデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の対象ですか?
はい。本記事で紹介している8製品はいずれも補助金の対象です(※最新の登録状況は公式サイトでご確認ください)。補助率は年度により変更される可能性があります。
ITに不慣れな職人でも使えますか?
KANNAや現場Plusは操作がシンプルで、50代・60代の職人でも使いやすい設計です。導入前に無料トライアルで実際に使ってもらい、操作性を確認することをお勧めします。
小規模(1人親方〜5名)でも施工管理アプリは必要ですか?
写真管理や日報作成に月10時間以上かかっているなら導入のメリットがあります。KANNAや現場Plusなら低コストで始められます。無料トライアルで効果を実感してから導入判断しても遅くありません。
ANDPADとKANNAの違いは何ですか?
ANDPADは機能が豊富で大規模現場にも対応できる総合型。KANNAは操作がシンプルで中小規模の現場に適しています。従業員10名以上で複数現場を同時管理するならANDPAD、5〜30名でまず手軽に始めたいならKANNAがおすすめです。
無料で使える施工管理アプリはありますか?
完全無料のアプリは限られますが、ほとんどのアプリが14〜30日間の無料トライアルを提供しています。Aipoは月額350円/人〜と非常に低価格で、実質的にコストを抑えて利用できます。
施工管理アプリを導入するとどのくらい業務効率が上がりますか?
一般的に、写真管理で月20時間→3時間(85%削減)、日報作成で1件30分→5分(83%削減)、書類の受け渡し・FAXのやり取りがゼロになるなど、大幅な時間削減効果が報告されています。
複数のアプリを併用してもいいですか?
可能です。例えば施工管理はANDPAD、写真管理はPhotoruction、会計は別ソフトという使い分けをしている企業もあります。ただし、データの二重入力が発生しないよう、連携機能の有無を確認してください。
公共工事の電子納品に対応しているアプリはどれですか?
PhotoructionとSPIDERPLUSは電子納品への対応が充実しています。国交省が推進するi-Constructionにも対応しており、公共工事が多い建設会社には特におすすめです。
導入後のサポートはどうなっていますか?
ANDPADは専任のカスタマーサクセス担当がつき、導入支援が手厚いのが特徴です。KANNAもチャットサポートが充実しています。導入前にサポート体制を確認し、電話サポートの有無や対応時間を確認しましょう。

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