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用語集

一人親方

ひとりおやかた

一人親方とは

一人親方とは、特定の事業主に雇用されず、従業員も雇わずに、自ら建設工事の施工に従事する個人事業主のことです。労働者を使用しないで事業を行う独立した技能者であり、大工、左官、鳶、電気工事、内装仕上げなど、さまざまな職種で活動しています。

なぜ重要か

建設業界において一人親方は、現場の施工力を支える重要な担い手です。国土交通省の推計によると、建設業の就業者のうち相当数が一人親方として活動しており、特に専門工事の分野では現場の施工体制に不可欠な存在となっています。

しかし近年、社会保険の加入義務の適正化や、偽装請負(実態は雇用関係にあるにもかかわらず請負契約の形式をとること)への規制強化など、一人親方を取り巻く制度環境は大きく変化しています。国土交通省は「一人親方の在り方に関する検討会」を設置し、適正な一人親方と、実質的に労働者である偽装一人親方の区別を明確にする方針を打ち出しました。

建設会社の経営者にとっては、一人親方との取引関係が適正かどうかを点検し、法令遵守の観点からリスクを管理することが必要です。

具体的な内容・仕組み

一人親方は労働基準法上の「労働者」には該当しないため、元請や上位の下請との関係は請負契約(または委任契約)となります。雇用保険や健康保険、厚生年金といった被用者向けの社会保険には加入できず、国民健康保険と国民年金に自ら加入する必要があります。

労災保険については、一人親方は本来の適用対象外ですが、労災保険の特別加入制度を利用することで、業務中のけがや病気に対する補償を受けることができます。建設現場では危険を伴う作業が多いため、特別加入は事実上不可欠な備えといえます。

一人親方が建設業許可を取得する義務は、請け負う工事の金額が500万円未満であれば生じません。ただし、元請会社から許可の取得を求められるケースもあり、事業の安定性や信用力の面からは取得を検討する価値があります。

インボイス制度(適格請求書等保存方式)の開始に伴い、免税事業者である一人親方への発注に際して消費税の仕入税額控除が段階的に制限される点も、取引関係に影響を与える重要な変化です。

中小建設会社への影響

中小建設会社の多くは、繁忙期の施工体制を一人親方の協力によって成り立たせています。そのため、一人親方に関する制度変更は、自社の施工体制や原価構造に直接的な影響を及ぼします。

特に注意すべきは、実態として雇用関係にある技能者を一人親方として扱う「偽装一人親方」のリスクです。労働基準監督署や税務署の調査で偽装が認定されれば、社会保険料の遡及徴収や労働関係法令の違反として処分を受ける可能性があります。自社で常時指揮命令している技能者については、雇用契約への切り替えを検討すべきでしょう。一方、真に独立した技能を持ち自律的に業務を遂行する一人親方とは、適正な請負契約のもとで引き続き協力関係を維持していくことが現実的な対応です。

よくある質問

一人親方は労災保険に入れますか?

通常の労災保険の対象にはなりませんが、労災保険の特別加入制度を利用できます。一人親方の団体を通じて申請する必要があり、加入することで業務中や通勤中のけがや病気に対する補償を受けられます。

一人親方と個人事業主の違いは何ですか?

一人親方は個人事業主の一形態です。個人事業主のうち、特に建設業において従業員を雇わず自ら技能者として現場作業に従事する者を指す業界特有の呼称です。従業員を雇用している個人事業主は一人親方にはあたりません。

偽装一人親方とは何ですか?

実態としては雇用関係にあるにもかかわらず、社会保険料の負担を逃れるために請負契約の形式をとっている状態を指します。勤務時間や作業内容の指示を受けている、道具や資材を会社から支給されているなどの実態がある場合は、偽装と判断されるリスクがあります。

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