施工管理技士
せこうかんりぎし
施工管理技士とは
施工管理技士とは、建設工事の施工計画の作成から工程管理、品質管理、安全管理までを統括的に担う技術者のための国家資格です。建設業法に定める「主任技術者」や「監理技術者」として現場に配置される要件を満たす資格であり、建設会社の技術力を支える根幹的な資格として位置づけられています。
なぜ重要か
建設業法では、すべての建設工事の現場に主任技術者を配置することが義務づけられています。さらに、特定建設業者が元請として4,500万円以上の下請契約を締結する工事では、監理技術者の配置が必要です。施工管理技士の資格は、これらの技術者配置要件を満たすための代表的な方法です。
建設業許可の取得・維持に必要な「専任技術者」の要件としても、施工管理技士の資格は広く活用されています。有資格者の人数は、経審のZ評点(技術力)に直接影響するため、企業の公共工事受注力にも直結します。
経営者の視点では、施工管理技士の確保と育成は経営上の最優先課題の一つです。有資格者が不足すれば、受注できる工事の件数や規模に制約が生じ、最悪の場合は建設業許可の維持にも支障をきたします。
具体的な内容・仕組み
施工管理技士は工事の種類に応じて7つの種目に分かれています。土木施工管理技士、建築施工管理技士、管工事施工管理技士、電気工事施工管理技士、造園施工管理技士、建設機械施工管理技士、電気通信工事施工管理技士があり、それぞれに1級と2級が設けられています。
1級施工管理技士は監理技術者および主任技術者になることができ、2級は主任技術者としての資格要件を満たします。1級のほうがより大規模な工事の管理を担えるため、企業の技術力評価においても高く位置づけられています。
受験には一定の実務経験が求められますが、2021年度の制度改正により、1次検定(学科試験に相当)と2次検定(実地試験に相当)が分離され、1次検定合格者には「施工管理技士補」の資格が付与されるようになりました。技士補は監理技術者の補佐として現場に配置でき、人材不足の緩和に寄与する制度として注目されています。
試験は年1回から2回の実施で、合格率は種目や級によって異なりますが、1級の2次検定では概ね30%から50%程度で推移しています。
中小建設会社への影響
中小建設会社では、施工管理技士の有資格者の数が事業規模を実質的に制約するケースが少なくありません。1人の技術者が専任で配置できる現場は原則1か所であるため、同時に複数の現場を稼働させるには相応の技術者数が必要です。
社員の資格取得を支援する体制づくりが、中長期的な事業成長の鍵を握ります。受験対策の学習費用補助や、合格時の報奨金制度を設けている企業も増えています。また、技士補制度を活用し、若手社員にまず1次検定の合格を目指させることで、将来の有資格者候補を早期に育成する戦略も有効です。
よくある質問
施工管理技士の資格は何種目取得できますか?
取得数に上限はありません。自社の業種に合わせて複数の種目を取得することで、対応できる工事の幅が広がります。たとえば、土木と管工事の両方の資格を持つことで、上下水道工事の元請として幅広い対応が可能になります。
施工管理技士補とは何ですか?
1級施工管理技士の1次検定に合格した者に付与される資格です。監理技術者の補佐として現場に配置できるため、監理技術者が2つの現場を兼任することが可能になります。2021年度の制度改正で新設されました。
実務経験がなくても受験できますか?
1次検定は、2級であれば満17歳以上で受験可能な種目もあります。ただし、2次検定には所定の実務経験が必要です。学歴や保有資格によって必要な実務経験年数が異なるため、受験を予定している種目の最新の受験要件を確認してください。