この記事の監修 山本 貴大 / ケンテク編集長

150社以上のマーケティング/コンサルティング支援実績。認定支援機関と連携した補助金計画書の作成支援も手がける。

建設業の外国人材 — 現状と制度の基本

建設業で働く外国人労働者は年々増加しており、人手不足の解消策として外国人材の活用は避けて通れないテーマになっています。

建設業で外国人を雇用する3つの在留資格

在留資格対象最長期間家族帯同特徴
技能実習(2027年度より「育成就労制度」に移行予定)開発途上国の実習生5年不可監理団体を通じて受入れ。育成が目的
特定技能1号一定の技能を持つ外国人5年不可即戦力として就労。試験合格or技能実習修了が条件
特定技能2号高度な技能を持つ外国人無期限長期的な戦力。熟練した技能が必要

どの制度を選ぶべきか

未経験の外国人を受け入れて育てたい → 技能実習

  • 母国の送り出し機関→日本の監理団体を経由
  • 入国後に研修期間あり
  • 3年目の試験に合格すれば最長5年まで延長可能

すぐに現場で働ける人材がほしい → 特定技能1号

  • 技能試験と日本語試験に合格した外国人
  • 技能実習2号を修了した人は試験免除で移行可能
  • 受入れ企業が直接雇用

長期的に自社の戦力にしたい → 特定技能2号

  • 特定技能1号からのステップアップ
  • 在留期間の上限なし、家族帯同も可能
  • 日本人と同等の待遇が求められる

受入れの流れ — ステップ別解説

技能実習の場合

ステップ内容期間目安
1. 監理団体を選ぶ建設業の受入れ実績がある団体を探す1ヶ月
2. 送り出し機関との連携現地での面接・選考2〜3ヶ月
3. 技能実習計画の認定申請外国人技能実習機構に申請1〜2ヶ月
4. 在留資格認定証明書の申請入国管理局に申請1〜2ヶ月
5. 入国・研修日本語研修+安全教育1ヶ月
6. 実習開始現場での実習スタート-

合計: 入国まで約6〜10ヶ月。 人手がほしい時期の半年以上前から準備を始める必要があります。

特定技能の場合

ステップ内容期間目安
1. 建設特定技能受入計画の認定国土交通大臣に申請1〜2ヶ月
2. 人材の確保海外での試験合格者を採用 or 技能実習からの移行1〜3ヶ月
3. 雇用契約の締結日本人と同等以上の待遇で契約2週間
4. 在留資格の申請入国管理局に申請1〜2ヶ月
5. 入国・就労開始--

建設業特有のルール: 建設分野の特定技能は、他の分野と異なり「建設特定技能受入計画」の認定が必要です。また、建設技能人材機構(JAC)への加入が求められます。

費用の目安

技能実習の場合(1人あたり)

費用項目金額目安
送り出し機関への手数料15〜25万円
監理団体への管理費3〜5万円/月
渡航費10〜15万円
入国後研修費10〜20万円
給与(月額)18〜25万円(地域・職種による)
住居費(会社負担の場合)3〜5万円/月

年間コスト目安: 1人あたり約350〜500万円(給与+管理費+住居費)

特定技能の場合(1人あたり)

費用項目金額目安
JAC年会費24万円/年
受入負担金1.25〜2万円/月/人
人材紹介手数料30〜50万円(紹介会社経由の場合)
給与(月額)22〜30万円(日本人と同等以上)
支援業務(登録支援機関委託の場合)2〜3万円/月

建設業特有の注意点

1. 安全教育は母国語で

建設現場は危険を伴う場所です。安全教育を日本語だけで行うと、理解不足による事故のリスクがあります。

対策:

  • 母国語(ベトナム語、インドネシア語等)に翻訳した安全教育資料を用意する
  • 通訳を交えた安全教育を実施する
  • 現場の危険箇所にピクトグラム(図)で注意喚起する
  • KY活動は母国語で参加できる仕組みを作る

2. 建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録

特定技能外国人は建設キャリアアップシステムへの登録が義務です。受入れ企業も事業者登録が必要です。

3. 月給制が原則

建設分野の特定技能外国人は「月給制」が求められます。日給月給は認められません。天候不良で現場が休みの日も給与が発生します。

4. 同等報酬の確保

外国人だからといって日本人より低い給与を設定することは認められません。同じ業務に従事する日本人と同等以上の報酬が必要です。

成功する受入れのポイント

住居・生活支援

  • 会社でアパートを契約し、家具・家電付きで入居できるようにする
  • 近隣のスーパー、病院、銀行、郵便局の場所を案内する
  • ゴミの出し方、騒音ルールなど生活マナーを説明する
  • 同じ国籍のコミュニティを紹介する

日本語学習の支援

  • 週1回の日本語教室(オンラインでも可)
  • 現場で使う日本語フレーズ集の配布
  • 日本語能力試験(JLPT)の受験費用を会社が負担

コミュニケーション

  • 簡単な日本語でゆっくり話す
  • 翻訳アプリ(Google翻訳等)を活用する
  • 定期的な面談(月1回)で困りごとを聞く
  • 文化の違いを理解する(宗教上の食事制限、祝日の配慮等)

まとめ

外国人材の活用は、建設業の人手不足を補う重要な手段です。ただし、制度が複雑で準備にも時間がかかります。

今すぐやるべきこと:

  1. 自社に合った在留資格(技能実習 or 特定技能)を決める
  2. 建設業の実績がある監理団体 or 登録支援機関を探す
  3. 受入れ体制(住居・安全教育・日本語支援)を整える
  4. 入国まで6〜10ヶ月かかるため、早めに動き始める

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参考情報

よくある質問

建設業で外国人を雇用するにはどの在留資格が適していますか?
未経験者を育てたい場合は技能実習、即戦力がほしい場合は特定技能1号、長期的な戦力にしたい場合は特定技能2号が適しています。自社の目的に合わせて選択しましょう。
外国人材の受入れにはどれくらいの費用がかかりますか?
技能実習の場合、年間1人あたり約350〜500万円(給与+管理費+住居費)が目安です。特定技能の場合はJAC年会費24万円に加え、給与は日本人と同等以上が必要です。
外国人材の受入れまでにどれくらいの期間がかかりますか?
技能実習の場合、監理団体の選定から入国まで約6〜10ヶ月かかります。特定技能の場合も受入計画の認定から入国まで数ヶ月を要するため、早めの準備が必要です。
建設業で外国人を雇用する際の注意点は何ですか?
安全教育を母国語で行うこと、CCUSへの登録が義務であること、月給制が原則であること、日本人と同等以上の報酬が必要であることが主な注意点です。
技能実習と特定技能の違いは何ですか?
技能実習は育成目的で監理団体を通じて受入れ、最長5年。特定技能1号は即戦力として直接雇用、最長5年。特定技能2号は在留期間上限なし、家族帯同も可能です。
外国人材の定着率を上げるにはどうすればよいですか?
住居・生活支援の充実、週1回の日本語教室、月1回の定期面談、文化の違いへの配慮(宗教上の食事制限、祝日の配慮等)が重要です。同じ国籍のコミュニティの紹介も効果的です。

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