この記事の監修 山本 貴大 / ケンテク編集長

150社以上のマーケティング/コンサルティング支援実績。認定支援機関と連携した補助金計画書の作成支援も手がける。

デジタル化・AI導入補助金とは? — 2026年度からの変更点

2026年度から、従来の「IT導入補助金」は**「デジタル化・AI導入補助金」**に名称変更されました。中小企業がITツールやAIを導入する際に、費用の一部を国が補助する制度です。

建設業では施工管理アプリ、会計ソフト、勤怠管理システムなどの導入に活用できます。

本記事では読みやすさのため「IT導入補助金」の表記も併用しています。正式名称は「デジタル化・AI導入補助金」です。

2026年度の主な変更点

  • 名称が「IT導入補助金」→「デジタル化・AI導入補助金」に変更
  • AI関連ツールの導入が明確に対象に
  • 枠の構成が変更されている可能性あり(最新の公募要領で確認してください)

建設業にとって特に重要な理由

建設業は他業種と比べてDX化が遅れています。国土交通省の調査では、建設業のDXツール導入率はまだ低い水準にとどまっています。国はこの補助金を通じて建設業のデジタル化を後押ししています。

建設業で活用できるポイント:

  • 施工管理アプリの導入費用の一部が補助される
  • 会計ソフト・勤怠管理の導入も対象
  • 申請から採択まで約1〜2ヶ月で結果が出る
  • 年間を通じて複数回の公募がある

補助額と補助率

以下は2025年度までの枠構成です。2026年度は枠の名称・構成が変更されている可能性があります。最新の公募要領(公式サイト)で必ずご確認ください。

枠(2025年度参考)補助率補助額建設業での活用例
通常枠1/2以内5万〜450万円以下施工管理アプリ、勤怠管理
インボイス枠2/3〜3/4〜350万円会計ソフト、受発注システム
セキュリティ対策推進枠1/25万〜100万円セキュリティ対策ツール
複数社連携IT導入枠2/3〜3/4〜3,000万円元請け・下請け間のシステム連携

建設業で活用しやすい枠

実務的に最も活用しやすいのは通常枠インボイス枠です。

通常枠の活用例:

  • 施工管理アプリ(ANDPAD等)を月額2万円で導入 → 年間24万円の半額 = 12万円補助
  • 勤怠管理システムを導入 → 導入費用の半額を補助

インボイス枠の活用例:

  • 会計ソフト + インボイス対応 → 導入費用の最大3/4を補助
  • 受発注システム → 導入費用の2/3を補助

建設業で補助金対象になるITツールの具体例

施工管理系

ツール名主な機能月額目安IT導入補助金対応
ANDPAD施工管理・写真管理・工程管理要問合せ対応
KANNA施工管理・報告書作成要問合せ対応
ダンドリワーク施工管理・コミュニケーション要問合せ対応
Photoruction写真管理・図面管理要問合せ対応

会計・原価管理系

ツール名主な機能月額目安IT導入補助金対応
freee会計クラウド会計・インボイス対応2,680円〜対応
マネーフォワード クラウド会計・経費精算・給与計算2,980円〜対応
建設ITNAVI建設業特化の原価管理要問合せ対応

勤怠・労務管理系

ツール名主な機能月額目安IT導入補助金対応
KING OF TIME勤怠管理・シフト管理300円/人〜対応
ジョブカン勤怠・労務・給与一体型200円/人〜対応
Touch On TimeGPS打刻・現場別勤怠300円/人〜対応

申請の流れ — 5ステップで解説

Step 1: 自社の課題を整理する

補助金の申請書では「なぜこのITツールが必要か」を説明する必要があります。建設業でよくある課題を整理しましょう。

建設業の経営者が書きやすい課題例:

  • 現場写真の管理が紙ベースで、検索に時間がかかる
  • 工程管理がホワイトボードで、リアルタイムの進捗が見えない
  • 勤怠管理が手書きの日報で、集計に毎月3日かかる
  • インボイス制度への対応が遅れている
  • 下請け業者との情報共有がFAXで、ミスが多い

Step 2: 導入したいITツールを選ぶ

IT導入補助金の対象ツールは「IT導入支援事業者」に登録されているものに限られます。

選び方のポイント:

  • IT導入補助金の対象ツールとして登録されているか確認
  • 「IT導入支援事業者」の一覧からベンダーを探す
  • 複数のツールを比較検討する(当サイトの比較記事を参考に)

Step 3: IT導入支援事業者とパートナーになる

IT導入補助金の申請は、申請者(建設会社)単独ではできません。「IT導入支援事業者」と連携して申請する必要があります。

IT導入支援事業者は、ツールベンダー自身が登録しているケースが多いです。導入したいツールのベンダーに「IT導入補助金を使って導入したい」と相談すると、申請をサポートしてくれます。

Step 4: gBizIDを取得して申請する

申請にはgBizIDプライムが必要です。取得には2〜3週間かかるため、早めに手続きしましょう。

gBizID取得の注意点:

  • 印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)が必要
  • 申請書類に法人の実印を押印
  • 郵送申請の場合、2〜3週間で発行

Step 5: 交付申請 → 採択 → ツール導入

申請から採択まで約1〜2ヶ月。採択後にツールを導入し、実績報告を行うと補助金が支給されます。

重要: 採択前にツールを導入してしまうと補助金の対象外になります。必ず採択通知を受けてから導入を開始してください。

採択率を上げる3つのコツ

1. 「加点項目」を確実に押さえる

IT導入補助金には採択の優先度を上げる「加点項目」があります。

建設業で取りやすい加点項目:

  • 賃上げ計画の策定(事業計画期間中に給与を引き上げる計画)
  • インボイス制度対応のツール導入
  • セキュリティアクションの宣言(IPAのサイトから簡単に申請可能)

2. 経営課題を具体的に数字で書く

「業務効率化したい」だけでは弱い。具体的な数字を入れましょう。

良い例:

  • 「現場写真の整理に月20時間かかっており、施工管理アプリの導入で月5時間に削減したい」
  • 「勤怠集計に月3日かかっており、クラウド勤怠管理で即日完了を目指す」

3. 導入後の効果を定量的に示す

補助金審査では「導入後にどれだけ効果があるか」が重要です。

建設業で使いやすい効果指標:

  • 残業時間の削減(月○時間 → 月○時間)
  • 書類作成時間の短縮(月○時間 → 月○時間)
  • ミス・手戻りの削減(月○件 → 月○件)
  • 売上高に対する人件費比率の改善

よくある質問

Q. 個人事業主でも申請できますか?

はい、個人事業主でも申請可能です。建設業の一人親方でもIT導入補助金を活用できます。

Q. 過去にIT導入補助金を受けたことがあるのですが、再度申請できますか?

過去の交付から一定期間が経過していれば、再度申請可能です。ただし、同じツール・同じ類型での再申請には制限がある場合があります。

Q. 申請を代行してくれるサービスはありますか?

IT導入支援事業者が申請のサポートをしてくれます。また、補助金申請に特化したコンサルティングサービスもあります。自社で申請が難しい場合は、専門家に相談することをお勧めします。

まとめ — 建設業のDXは補助金を使って始めよう

IT導入補助金は、建設業のDXを加速する強力な武器です。特にインボイス枠は補助率が最大75%と高く、会計ソフトや受発注システムの導入に最適です。

今すぐやるべきこと:

  1. gBizIDプライムの取得を始める(2〜3週間かかる)
  2. 自社の課題を整理する
  3. 導入したいITツールを選ぶ(当サイトの比較記事を参考に)
  4. IT導入支援事業者に相談する

補助金の公募スケジュールは年度ごとに変わります。最新情報は当サイトのメルマガで配信しています。

よくある質問

IT導入補助金の申請期限はいつですか?
年間を通じて複数回の公募があり、公募回ごとに締切が異なります。スケジュールは年度によって変わるため、最新の公募要領を確認してください。gBizIDの取得に2〜3週間かかるため、早めの準備が重要です。
施工管理アプリはIT導入補助金の対象ですか?
はい、ANDPAD、KANNA、ダンドリワーク、Photoructionなど主要な施工管理アプリはIT導入補助金の対象です。通常枠A類型で導入費用の1/2が補助されます。
IT導入補助金の採択率を上げるにはどうすればよいですか?
賃上げ計画の策定、セキュリティアクションの宣言などの加点項目を確実に押さえ、経営課題を具体的な数字で書き、導入後の効果を定量的に示すことが重要です。
IT導入補助金は個人事業主でも申請できますか?
はい、個人事業主でも申請可能です。建設業の一人親方でもIT導入補助金を活用してDXツールを導入できます。
IT導入補助金で最も補助率が高い枠は何ですか?
インボイス枠が最も補助率が高く、最大3/4(75%)です。会計ソフトや受発注システムの導入に最適で、インボイス制度対応とDXを同時に進められます。
IT導入補助金の申請は自社だけでできますか?
いいえ、IT導入支援事業者と連携して申請する必要があります。導入したいツールのベンダーに相談すると、申請をサポートしてくれることが多いです。
採択前にツールを導入してしまっても大丈夫ですか?
いいえ、採択前にツールを導入すると補助金の対象外になります。必ず採択通知を受けてから導入を開始してください。これは最もよくある失敗の一つです。

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