この記事の監修 山本 貴大 / ケンテク編集長

150社以上のマーケティング/コンサルティング支援実績。認定支援機関と連携した補助金計画書の作成支援も手がける。

経審とは — なぜ必要なのか

経営事項審査(経審・けいしん)は、公共工事を直接受注するために必要な審査です。建設会社の「経営力・技術力・実績」を点数化し、入札参加資格の判断材料として使われます。

経審が必要な会社

公共工事(国・都道府県・市区町村の発注工事)を元請けとして直接受注したい建設会社は、経審が必須。 下請けのみの場合は不要です。

経審の評点(P点)の構成

総合評定値(P点)は以下の5項目で計算されます。

項目記号配点ウエイト内容
完成工事高X125%直近の工事実績額
自己資本額・利払前税引前償却前利益X215%財務基盤の強さ
経営状況分析Y20%財務諸表に基づく経営状態
技術職員数・元請完工高Z25%有資格者の数と元請実績
社会性等W15%社会保険加入、退職金制度、防災協定等

P = 0.25X1 + 0.15X2 + 0.20Y + 0.25Z + 0.15W

中小建設会社が評点を上げやすい項目

W点(社会性等)— 最も即効性がある

W点は「制度を整えるだけ」で加点されるため、中小建設会社でも短期間で改善しやすい。

項目加点条件点数
建設業退職金共済(建退共)加入加入するだけ+15点
退職一時金制度 or 企業年金制度制度を導入+15点
法定外労働災害補償制度上乗せ労災保険に加入+15点
営業年数長いほど有利(最大+60点)+2〜60点
防災協定の締結自治体と防災協定+20点
CCUS活用建設キャリアアップシステムの活用+15点
エコアクション21等環境認証の取得+5〜30点
CPD(継続教育)単位取得技術者のCPD実績加点あり
すぐにできるW点アップ策
  1. 建退共に加入する(+15点)
  2. 上乗せ労災保険に加入する(+15点)
  3. CCUSを活用する(+15点)

この3つだけで**+45点**。手続きは数日で完了し、次回の経審から反映されます。

Z点(技術力)— 資格取得で確実にアップ

1級施工管理技士1人あたりの加点が大きい。社員の資格取得を推進することで確実にZ点が上がります。

資格1人あたりの加点
1級施工管理技士5点
2級施工管理技士2点
1級建築士5点
監理技術者5点
RCCM5点

Y点(経営状況)— 財務改善で底上げ

Y点は財務諸表に基づく8指標で算出。以下の改善で点数が上がります。

指標改善策
純支払利息比率借入金の圧縮、金利の見直し
負債回転期間不良債権の処理、回収サイトの短縮
総資本売上総利益率粗利率の改善(原価管理の徹底)
売上高経常利益率販管費の見直し
自己資本対固定資産比率不要な固定資産の処分
自己資本比率利益の内部留保
営業キャッシュフロー回収サイトの短縮
利益剰余金毎期の利益蓄積

経審のスケジュール

1

決算日後4ヶ月以内: 決算変更届の提出

経審の前提として、決算変更届(事業年度終了届)を都道府県に提出。

2

決算変更届提出後: 経営状況分析を申請

登録経営状況分析機関に財務諸表を提出し、Y点の算出を依頼。費用は約13,000円。

3

分析結果受領後: 経審の申請

都道府県に経審の申請書類を提出。手数料は1業種8,100円+2業種目以降2,500円。

4

申請後1〜2ヶ月: 結果通知

経審の結果通知書が届く。P点が確定。

5

結果通知後: 入札参加資格申請

各発注機関(国・都道府県・市区町村)に入札参加資格の申請。

経審に強い税理士・行政書士の選び方

経審は「決算書の作り方」で点数が変わります。建設業の経審に詳しい専門家に相談することで、合法的にP点を最大化できます。

選ぶ基準:

  • 建設業の経審実績が年間10件以上
  • 「経審対策」を明示的にサービスメニューに掲げている
  • 決算前に「P点シミュレーション」を提供してくれる
  • 建設業許可の更新もセットで対応してくれる

まとめ

経審は「公共工事を受注するための通行証」。評点を上げることは、自社の受注チャンスを直接的に拡大します。

今すぐできること:

  1. 建退共に加入する(W点+15点)
  2. 上乗せ労災保険に加入する(W点+15点)
  3. 社員の資格取得を推進する(Z点アップ)
  4. 経審に強い税理士・行政書士に相談する

参考情報

よくある質問

経営事項審査(経審)とは何ですか?
経審は公共工事を直接受注するために必要な審査で、建設会社の経営力・技術力・実績を点数化します。入札参加資格の判断材料として使われ、公共工事の元請けには必須の審査です。
経審のP点はどのように計算されますか?
P点は完成工事高(X1:25%)、自己資本額等(X2:15%)、経営状況分析(Y:20%)、技術職員数等(Z:25%)、社会性等(W:15%)の5項目で計算されます。
中小建設会社が最も短期間で経審の点数を上げるにはどうすればよいですか?
W点(社会性等)が最も即効性があります。建退共加入(+15点)、上乗せ労災保険加入(+15点)、CCUS活用(+15点)の3つだけで+45点が可能で、手続きは数日で完了します。
経審に強い専門家をどう選べばよいですか?
建設業の経審実績が年間10件以上あること、経審対策を明示的にサービスメニューに掲げていること、決算前にP点シミュレーションを提供してくれることが選ぶ基準です。
経審の申請にかかる費用はいくらですか?
経営状況分析の申請が約13,000円、経審の手数料が1業種8,100円+2業種目以降2,500円です。行政書士に依頼する場合は別途報酬がかかります。
経審は毎年受ける必要がありますか?
公共工事の入札に参加し続けるには、経審の結果通知書の有効期間内に更新する必要があります。結果通知書の有効期間は審査基準日から1年7ヶ月なので、毎年受審するのが一般的です。

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